Webサイトの利用規約の作り方 – 利用規約は法的に有効?

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用語の定義

利用規約の定義は簡単に言うと「仲間内のルール」であると解釈したのですが、果たしてサイトの運営者側が勝手に決めたルールを提示したところで、それは法的に有効なのでしょうか。

その前に、「法的に有効」「法的に拘束力がある」とはどういうことなのでしょうか。まずは言葉の意味をはっきりさせたいと思います。

ゆうこう いうかう 0 【有効】

(名・形動)[文]ナリ
(1)効きめがあること。役に立つこと。また、そのさま。
「―な治療を施す」「時間を―に使う」「―期限」
⇔無効
(2)法律上の効力を有すること。
「―投票数」
⇔無効
(3)柔道で、もう少しで「技有り」となるような技があったと認める判定。抑え込みの場合は二〇秒以上抑え込んだ場合、有効となる。

ゆうこう いうかう 0 【有効】 – goo 辞書 から引用

ここでは(2)意味が当てはまりそうです。もうひとつ、用語しとしてよく出てくる「拘束力」という言葉の意味も調べてみます。

こうそく-りょく 4 【拘束力】

(1)行動を制限したり、強制したりする効力。
(2)〔法〕 行政行為がその内容に応じて相手方および当該行政庁を拘束する効力。
→公定力

こうそく-りょく 4 【拘束力】 – goo 辞書 から引用

これらを踏まえ、少し平たく言い直すとこういことになりそうです。

  • 法的に有効⇒法律上の効力を有すること
  • 法的に拘束力がある⇒法律上、相手方を行動を制限したり強制したりする効力がある

 両方とも「効力」という言葉が出てきますが、何に対してどういう効果を及ぼすことができれば、それは"効いた"といえるのでしょうか。そこに迫ってみたいと思います。

拘束力とは何か

「拘束力がある」とはどういうことかという話の前に、契約を成立させ、拘束力を発生させるためにはどうすればいいのでしょうか。

※ここからは一般論を述べます。

Webサイトにおける契約は一般的に利用規約のページに設置した「規約に同意する」ボタンのクリックで行われます。読んだ読まないに係わらず、このボタンをクリックした時点で契約は成立し、法的拘束力が発生するのだそうです。

法的拘束力が発生した!

さて、ここで法律の理論上「法的拘束力」が発生しました。この力は何に対してどう"効く"のでしょうか。

しかし、何も起こらない!

実はというかやっぱりというか、現実には何に"効く"わけではないんですね。拘束力とはいわば見えない鎖のようなもので、契約を結んだからといって相手を操り人形のように操れるわけではないということです。例えば「レンタルビデオの返却日が迫ってきたら勝手に体が動いて返しに来るようにさせる」などということは魔法でも使えない限り無理です。

このように、法律の理論上「拘束力がある」とはいっても、それ自体に力があるわけではなく、利用規約とは実質的には大義名分という意味が強いということが分かってきました。

かといって当然ながら破ってもいいわけでも無意味なものでもありません。破ったからどうこうというのはまた別のお話、ということらしいです。この件については別の記事に書きます。

なんだかスッキリしませんが、「法的に効力がある」とはどういうことかが大体つかめました。では個人がみようみまねで作ったものに効力はあるのでしょうか?どのような書式で、どのように表示すれば有効になるのでしょうか。次回はそのあたりのことについてつっこんでいきたいと思います。

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